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「落ち着きがない」の正体
JPY 2,420.00
東洋館出版社
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我が子の敏感すぎる反応をやわらげる 《セルフ・レグ(自己調整法)》という提案。 脳科学に基づいた理解と触れ合いが、親子のストレスサイクルを断つ 「頑張れ!」「静かにしなさい!」……子どもに対して、こんなことをいくら言い続けても意味がない。なぜならそれはセルフ・コントロール(自制心・自己制御)に期待しているから。すでにストレスに見舞われている子に「頑張れ!」と
セルフ・コントロールを強要すればするほど、人はポジティブな行動変化をなしとげにくくなる。そこで大切になってくる視点が、セルフ・レギュレーション(自己調整)だ。落ち着きがないとき、脳はどのような指令を出しているのか。「落ち着きがない」ということの正体を理解することから、セルフ・レギュレーションは始まる。ユニセフ「乳幼児期の子どもの発達(ECD)協議会」の委員長も務め、子どもの発達に関して研究を深めてきた著者がセルフ・レギュレーションの視点から、親子(先生・生徒)の触れ合い方を導き出した「セルフ・レグ(自己調整法)」のメソッドを紹介する。 原註 カナダ、アメリカ、そして世界中で、私が仕事を通じて出会った子どもは何人になるのだろう。数千人、いや数万人かもしれない。そのなかに悪い子はひとりもいなかった。 <中略> 理解して我慢強く接すれば、すべての子を豊かで実りの多い人生へ導くことができる。だが「問題児」というステレオタイプが、私たちの目にバイアスをかける。親としての期待や夢、失望や恐れが目を曇らせるのと同じだ。誤解しないでほしい。確かにほかの子どもたちよりもずっと手間のかかる子どもたちはいる。だが子ども自体を否定的に判断するのは、えてしておとなの防御メカニズムにすぎず、子どもの「性行」に自分が手を焼いていることを、責任転嫁するものだ。これが子どものさらなる反発を招き、自己防御や攻撃に走らせ、不安にさせ、閉じこもらせてしまう。だがそんな必要はまったくないのだ。 <中略> 私はそっと教室のドアを閉め、頭上の照明(まぶしい光を放つだけでなく、たえずジーという音を出しつづけていた)を消し、自分の声量を落とした。その子が急にリラックスしたのを見て、先生は表情を和らげ、つぶやいた。 「あら、なんてこと。気がつかなかったわ」 すぐに先生の少年に対するふるまいが変わった。以前には取りつく島もないようすだったが、いまは目の端に笑みが見える。声の調子は、早口でとげとげしいものから、柔らかく心地よいものになり、ジェスチャーもぎこちないものから、ゆったりとしたものに変わった。私を見るのではなく、まっすぐ子どもの目を見ている。お互いに気持ちが通じるようになると、少年の姿勢も、表情も、声の調子も、先生の変化に呼応して変化した。 少年の側でも、自分が音や光に過敏だということに、これまでまったく気づいておらず、そのことが事態に対処するのをむずかしくしていた。少年にとってはそれこそが現実で、「正常な」ことだったからだ。少年は今後、先生の助けを借り、いつ、どうして自分が興奮し、取り乱すのかを突き止め、さらに落ち着いて集中し、意識が冴えた状態で学習に向かうために、なにができるかを学ぶだろう。 子どもをサポートし、物質的快適さだけでなく、子どもが成功するのに必要なライフスキルも与えようと、親は躍起になる。だがしばしば子どもと気持ちが通じ合わず、その結果、当然いらいらして怒る。 こうした状況への対処法が、本書で解き明かそうとしている「セルフ・レグ(自己調整法)」だ。 (序章より)