✦ Verified product
「問いをつくり出す力」を育てる算数の授業開発13の視点
JPY 2,200.00
東洋館出版社
Verified independent store
→
「問いをつくり出す力」を育てる13の視点!授業の冒頭に教師が「めあて」を押しつけるだけの授業で、算数が好きな、学ぶことの好きな子どもたちは育っていくでしょうか。「日々の算数の授業を少しでもよくしていきたい」、「教科書の展開にとらわれず、子どもたちがたのしめる授業をつくりたい」そんな思いをもった先生のために、算数授業のつくり方を13の視点でまとめています。子ど
もに問いをもたせる教材研究の4つのポイント ポイント1 教科書教材のねらいを探る ポイント2 1時間単位ではなく単元単位で捉える ポイント3 別の教科書と比較する ポイント4 教育書籍を参考にする子どもが自然と問い出す教材に仕込む5つのギャップ ギャップ1 友だちの考えとのズレ ギャップ2 教科書と子どものズレ ギャップ3 予想とのズレ ギャップ4 感覚とのズレ ギャップ5 既習とのズレ子どもの問いを引き出す授業展開の4つのアプローチ アプローチ1 真偽を問う アプローチ2 同じと思わせる アプローチ3 子どもに任せる アプローチ4 できないと思わせる ある研究会に招かれて飛び込み授業を行った。対象は,某国立大学附属小学校4年生である。私は,「先生と同じ速さで問題を写してごらん」と子どもたちに投げかけた。子どもたちは,鉛筆をもち私の問題文をノートに写していく。私は,次の問題文を板書した。 「だいたい500を作ろう」 板書を写し終えた子どもたちから,「これがめあてなんだ」「ふーん,変わっているなあ」という声が聞こえてきた。私は,「めあて」という言葉は一度も使っていないし板書もしていない。それなのに,先の声が子どもから上がってきた。これは一体,なにを物語っているのであろうか。 私は,年間100クラス以上の授業を参観する。近年,ほとんどの授業に共通する形式がある。それは,授業のスタートと同時に「めあて」が教師から提示されることである。このタイプの授業展開では,ほぼ100%の教師が「めあて」という文字を板書する。あらかじめ「めあて」と書かれた掲示シートを貼る場合も多い。そして,「めあて」の次に問題文を板書する。その後,「今日のめあては〇〇(問題文)です」と子どもに投げかける。 教師を見つめる子どもたちも,何の疑いもなく「今日のめあては〇〇なんだ」と呟きながら教師の板書をノートに写していく。「めあて」として提示された文章は,「かけ算九九表の秘密を見つけよう」などのように,子どもが教師の指示通りに活動を行う単なる行動目標であることが多い。 先のめあてを目にした子どもは,「かけ算九九表にはきまりがあるんだ。きまりを探そう」と考える。このようなめあて文に,子どもが疑問を挟む余地はない。疑問を感じないということは,そこに子どもが主体的になる場面は生まれないということである。 めあては,本来は子どもの問いでなければいけない。それにも関わらず,多くの教室では子どもの問いがめあてとして提示されてはいない。そこに提示されているのは,教師の授業のねらいそのものである。 1時間の授業のねらいそのものを,そのまま板書でめあてとして提示するのは,授業のプロとしての教師が行うことではない。 授業のめあてをそのまま子どもに提示する展開は,あまりにもレベルの低い授業と言わざるを得ない。授業のめあてをそのまま子どもに提示することで,子どもが主体的になるのであれば苦労はしない。……